ワールドキャンパスとの出会い


2008年5月25日、私は熊本県荒尾市にある「ありあけ国際交流」(AICS)という国際交流団体の総会に参加していました。AICSへの参加は5年前で、具体的な活動はなかなかしていないのですが総会だけは活動報告と人の変化が楽しみで毎回参加するという程度の会員でした。そこへ今年もまた新しい方たちが入会して来られました。私は部屋の後で会の始まりを待っていたのですが、新しい方が「よろしくお願いします」と名刺を下さったのでその名刺をよく見てみると「東京都渋谷区」と書いてありました。東京からわざわざ何をするためにここに来られたのだろうと思い、その旨をお聞きすると、会社は東京で自宅はアメリカから荒尾市に数ヶ月前に引っ越してこられたとのことでした。その場で話をお聞きする時間がなかったので帰ってすぐに名刺に載っていたメールアドレスに連絡をしてみたところ、すぐに返事をいただきました。詳しく話を聞きたかったので、自宅までお邪魔して長時間お話をしてもらいすばらしい活動をされている方だとわかりました。これが、私とNPO法人ワールドキャンパスインターナショナル(WCI)そして西村代表との出会いです。
 話を聞いた後、一番強く感じたことはこの活動は「世界平和」に大きく貢献できる活動だということでした。世界平和は誰もが望んでいると思うのですが、私はどうやったらそれができるのかをいつも考えていました。そして、あれこれ考えはするのですがなかなか実際の行動には移せずにいる自分がいました。このような私の日々の思いをWCIは代弁し行動してくれているように感じました。それからは数日、寝ても覚めてもというより眠れないくらいWCIのことを考え続けました。そして、何度も西村さんに会いに行きました。西村さんは6/13から8/11までのWCI夏季プログラムの準備で忙しくされておられたのですが、その間の時間を頂いてたくさんのお話を聞かせてもらいました。
話を聞いていくうちにいろいろやらせていただきたいことが思いつくのですが、やりたい思いだけでやれるほどの能力はありません。自分の仕事も生活もあります。「できることを、できる範囲で、無理ない程度に」をモットーにしてかかわらせていただきたいと思いました。それで、自分にできることは何かと考えたとき、WCIの活動をそして西村さんの経験を世の中に少しでも伝えることならできるのではないかと思いました。そして、西村さんのお話だけで十分すばらしい活動だということはわかったのですが、百聞は一見に如かず、実際のプログラムを見に行くことになりました。

ワールドキャンパス2008年夏季プログラム6/23~6/26

6/23正午 成田到着。第二ターミナルに着くと探すのは到着口のミーティングポイント。うろうろしているとWORLD CAMPUS の旗が見つかりました。西村さんではなく会員登録の手続きをしてくださった安井さんという方とほか2名のスタッフの方が外国からの参加者のお迎えに来ておられるとお聞きしていたのでどの方が安井さんかとわくわくしながら近づいてみました。すると、なにやらスキンヘッドに近い頭にひげをはやしたお兄さんが近づいて来られる。イメージと違う。60過ぎて定年後ボランティアをされている方で白髪の紳士的なおじ様が来られるのかと思っていたのでびっくりしました。でも腰が低く丁寧な対応をされる方で安心しました。それから、WCIのHPに載っている野田香織さん。それから、もうすでに数人、今回の参加者らしき方も来られていました。最初に話したのが、大阪の吹田市から来ているりえさん。今回セッション1、初日から出席する唯一の日本人でした。それから、隣に座っていた参加者の外国人らしき人に声をかけてみると名前はリタさん。こちらは今回のセッションの中で最高の笑顔を持つ女性でした。笑ったときに口角が上がる人はほんとに笑顔が素敵ですね。隣にいたアマンダさんはリタさんの高校時代からの同級生らしく、かわいらしいお人形みたいな女性でした。それから、もう一人のスタッフ、デニスさんとも話しました。自己紹介でアキラです。といわれるので何かなと思ったら、シュウが旭と書くそうで、日本名をアキラとしたそうです。中国の北京から来られた方で英語・日本語ぺらぺらでした。しかも、言葉ができる方はその言語圏の国に留学経験がある方が多いと思うのですがアキラさんは中国の語学学校で勉強されたそうです。勉強熱心な方ですね。感心します。それから、フィンランドから学生さんが2人。イラッカさんとミリアムさん。ミリアムさんはケニアからフィンランドへ留学中でそれから日本でのこのプログラムに参加しているとのこと。世界を股に架けて勉強されていました。アメリカからは大学生のクリスティン・チャンさんとジェニスとイーガルさんと今セッション最年少・高校生のジャッキーさん。チャンはあとから日本の接尾語の「ちゃん」をつけてチャンちゃんと呼んで遊んでいました。デンマークからはクリスチャンとリリィ。クリスチャンはこの来日のためにわざわざお父さんが作ってくれたという日本語入りの名刺を持っていました。すごいですね。成田で待ち合わせたのはこの学生さん11名とスタッフ3名の14名と私を入れて15名。成田空港から上田市までの移動は高速バスでした。私はいったん横浜に戻り翌朝出直すつもりで成田に行ったのですが貸し切りバスの席が空いているとのことでお邪魔させていただくことになりました。宿泊もホテルの予定だったのですが、ボランティアで提供されているスタッフの宿舎に空があるとのことでこちらもお言葉に甘えて泊めてもらう事になりました。4時間ほどのドライブで安井さんの隣で安井さんとWCIとの出会いをしっかり聞かせてもらいました。プログラムに入られるとプログラムの遂行で忙しくなられると思ったのでこの時間しかないと思いいろいろ深く突っ込んで話をさせてもらいました。この方も面白い経歴を持った方でプログラム後またゆっくり話をお聞きしたいなと思いました。私にとってこのような活動をやっていて一番楽しいことは、携わっている人の中には面白い方がたくさんおられるということです。今回の3日間の上田市訪問でも他のスタッフの方、ボランティアスタッフの方をはじめたくさん出会わせていただきました。それぞれの人がそれぞれの思いを持ってそれぞれの形で参加されているのですがすべての活動がWCIの理念「世界平和」につながっているのではないかと深く感じました。
 翌日、私が滞在したのはこの日を含めて3日間で、ほとんどがこれから約2ヶ月間のプログラムの説明と注意事項で、英語がうまく聞き取れない私には少々退屈な時間でした。実際に活動に参加したのは、初日の小学校訪問と、翌日のほたる見物、最終日の社会福祉法人、知的障害者の方が働いておられる「とんぼハウス」の見学でした。それぞれでいろいろ楽しい経験があったのですが、一番興味深かったのが、外国人の中に私のような日本人がまぎれているからでしょう、私のことを中国人と勘違いする人が多かったということです。小学校では日本の旗を持って私が日本人か否かというクイズを行ったのですが、小学生の10人のうちすべてが日本人ではないという答えを出しました。みんな中国人だと思ったと言っていました。私があまりに落ち込んだように見せすぎたせいか気の毒に思う子供たちが多く暗い雰囲気になりました。それとは対照的だったのが、とんぼハウスでの出来事でした。皆さんに混じってとんぼハウスに着いた途端に誰かが、「中国人だ!」と叫んだのです。他にも学生の中に中国系の顔つきの方がおられたのでまさか私のことではないと高をくくっていました。すると障害者の方が近寄ってきて駄目押しの一言「中国人ですよね。」。さすがに落ち込みました。きっぱり「いえ、日本人です。」と答えました。ここでも同じ日本人から外国人扱いされるという貴重な体験をさせていただきました。しかし、ここからが先の小学生とは違うところで、この方はこういう一見失礼とも思えるようなことをした後でも執拗に私との接触をはかってこられ、最後には「またおいで。」と言ってもらいました。失礼なことをしたなどという印象は微塵もありませんでした。私には大きな衝撃でした。そして、これが人間の本来の姿なのかなと感じました。純粋であるがゆえに人を傷つけ、純粋であるがゆえに人とつながろうとする。私も人を傷つけ、自分が傷つくことを恐れず、人とのつながりを絶えず求めていきたいと感じました。

その他、たった3日間の滞在ですが本当にすばらしい経験をさせていただきました。これから8月半ばまで続くプログラムの中で参加者の学生さんを始めWCIにかかわる方々がどのように変わっていかれるのかが楽しみです。
8月の最後の都市の広島市にはもう一度見学に行く予定です。その時まで少しは英語が聞き取れるように勉強をしておきたいと思っています。

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